クレジットカードの作り方を学生向けに解説してみた

キャッシュレス決済の普及により、人々の間でクレジットカードの需要が高まっています。最近ではネットで全て解決できる時代となり、学生でもクレジットカードを所有したいと思う方が増えてきました。

 

しかし一方で「審査や手順がよくわからず、不安で申し込んでいない」という声も聞きます。また新規申し込み時に、あらかじめ準備する物など不明な部分もたくさんあるでしょう。

 

このページでは、クレジットカードの作り方の手順やポイント、注意点などを学生さん向けに解説します。今までカードを作ったことがない方は必見です!

 

そもそも学生はクレジットカードを作れる?

未成年や成年の学生でもクレジットカードは作れるのでしょうか?答えは全く問題なく作れます。平成29年度実施の一般社団法人クレジットカード協会の調査では、大学生の53%がクレジットカードを所有していました。

 

二人に一人所有している計算となります。数字を見て少し驚いた方もいるのでは?ここ数年でキャッシュレス決済の普及が一層進んでいることを考えると、現在ではより所有率が上がっていると考えられます。

 

但し一つ残念な点があります。それは学生でも高校生は持つことができません。高校生はクレジットカードではなく、デビットカードなどで代用するしか方法はありません。

 

このように今の時代、学生であってもクレジットカードを持つのは普通のことですが、一番気になっているのは「収入面」ではないでしょうか?

学生で無収入でもカードを作れる?

カードごとに詳細条件は異なりますが、一般的なクレジットカードでは「年齢」と「収入」の2つが発行の条件となります。年齢は18歳以上であり、安定収入があることが基本です。

 

安定収入と聞いて「学生は申し込めないのでは?」と心配になられる方がよくいらっしゃいます。ですが、実は学生や専業主婦の場合は特例があるのです。

 

学生や専業主婦のような収入が少ない方は、学生であれば親、専業主婦であれば夫と「実際に生活を成り立たせている人間」の収入・信頼で審査が行われます。

 

そのため、学生の審査では収入面の心配はほとんど必要ありません。ですので、基本的に無収入でもクレジットカードを作ることができるのです。

 

学生専用カードも存在
カード会社によっては学生専用のカードを提供しています。たとえば楽天カードでは「楽天アカデミー」があり、三井住友Visaなら三井住友カード(学生)などです。

これらのカードは学生に向けて特化しているため、審査がスムーズに行われ通過率も良好です。初めてカードを申し込む学生の方は、学生専用カードを探してみましょう。

 

クレジットカードの作り方を解説

それでは、実際にクレジットカードの作り方を学生さん向けに解説します。入会申し込みから手元に届くまでの大まかな流れを見ていきましょう。まず最初に、以下の2点を手元に準備します。

 

本人確認書類

カードの新規発行では本人確認書類の提出が求められます。通称「犯収法」による規定で、マネーロンダリングやテロ資金の費用へのクレジットカード悪用を防ぐために定められた法律となります。

 

借主の身元の明確化を各事業者に義務付けており、最近では銀行口座の開設時にも本人確認が求められるケースが増えていますが、そちらも同じ犯収法によるものです。

 

主な本人確認書類の種類
  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポート
  • 各種保険証
  • 住民票
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書

本人確認書類の種類はまだありますが、これらは公に身分を証明できる書類です。そのほか写真付きの学生証と保険証、保険証と年金手帳など組み合わせて有効になる場合もありますが、学生証に関しては証明書として認めていない企業も多々あります。

 

可能な限り免許証やマイナンバーカードのような「効力の強い身分証」を用意しておくと安心です。また最近は本人確認書類が2点必要になる場合があります。

 

支払い用の銀行口座

カードの利用料金を引き落とすための口座を用意する必要があります。もしも銀行口座を持っていないのであれば、事前に開設手続きを完了しておきましょう。

 

もし銀行口座がない場合は、作りたいクレジットカードに関連した企業での口座を開設すると、カードを作る際スムーズになる場合があります。

 

例えば楽天カードを作りたいのであれば、楽天銀行などで口座開設していると、楽天カードを作る際の引き落とし口座の設定も、簡単に設定できる流れとなります。

 

同意書(未成年の場合)

申込者が未成年の場合には「親権者の同意」が必ず必要となります。親に内緒でカードを作りたい、という方がよくいらっしゃいますが、非常にリスクが大きいためおすすめしません。

 

もし同意を偽造してバレてしまった場合、明確な規約違反ですから強制退会などの重い処分も考えられます。そうすると、20歳を超えて新たにクレジットカードを作ろうとした際に、様々な悪影響を受けてしまいます。

 

事前にしっかりと話し合いを行って、同意を得ておきましょう。尚、これらが準備できれば、あとは簡単です。以下のような流れで手続きを進めていきます。

 

クレジットカードの申し込み方法

ネットで申し込む方法

現在一番主流となっているのがネット申し込み。基本的に発行したいカードの公式ページから入会手続きを行う流れとなります。入会手続きは、必要事項(住所、家族構成、借入状況、年収、支払い口座など)を画面に従い入力していくだけ。

 

ウソや間違いがないよう正確に入力しましょう。専用フォームで入力後は審査結果の連絡を待ちます。審査の結果は早ければ当日中、遅くとも1週間ほどで連絡が届きます。

 

無事に審査を通過したあとは、カードが郵送されてきますので受け取りましょう。裏面にサインを記入して、カードの利用状況管理ページやアプリへの初回ログインを済ませれば完了です。

 

なお、本人確認がまだ済んでいない場合、配達業者に身分証を提示するよう求められることがありますので手元に用意しておきましょう。また申し込みの際の入力で、イマイチ分からないと思われる部分については後述します。

 

カードの受け取りは本人のみ?
基本的にクレジットカードの受け取りは本人しかダメなのですが、ネット申し込みで支払い口座の登録まで済ませた場合、受け取りに本人確認が不要になることがあります。
これは支払い口座を登録できる=口座開設時にすでに身分証明が完了しているとみなされるためです。

詳細→クレジットカードの受け取りは本人以外でも大丈夫?

ただ、ネット上で口座登録まで済ませても本人確認が求められることもありますので、身分証の準備は進めておくようにしましょう。

店頭や郵送で申し込む方法

上記はインターネットでの申し込みですが、カードによっては実店舗や郵送からでも申請可能です。実店舗の場合、店員の説明を受けながら書類を記入できる、最短で即日カードが受け取れる、などのメリットがあります。

 

一方の郵送に関しては、郵送用の書類を送って欲しいと申請する、書類を送ってもらう、記入して送り返す、審査後にカードが郵送されてくる、と手間がかかりメリットも特段ないためおすすめしません。

 

現在、郵送での申し込みでカードを発行手続きをしている方はかなり少ないでしょう。いずれにせよ、カードによって対応している手続きは異なりますので、まずは欲しいカードの公式サイトを確認してみましょう。

 

カードの申し込み時によくある悩み

次に、学生が申し込み時によく悩むポイントをいくつか解説します。初めての申し込みなので分からない部分はたくさん出てくるかもしれませんが、代表的な箇所についてご説明します。

年収について

まずは年収です。よく「仕送りは年収に入るのか?」という質問がありますが、こちらは入りません。上記でご紹介したように、学生の年収はゼロでも全く構いません。

 

なので仕送りでの収入がある方、もしくは収入が無い方は「0」などを入力・選択しましょう。逆にバイトをしているのであれば、1ヶ月分のバイト代×12で計算した金額を入力しましょう。

 

また良く悩まれることとして、まだ3ヶ月しかバイトをしていない、まだ半年しかバイトをしていない、この場合は年収はいくらになるのか?働いた期間の分を年収に入力するの?という悩みです。

 

基本的に年収は推測で構いませんので、例えば半年バイトをしていて、月に5万円の収入がある。この場合は年収60万円と入力して問題ないです。基本、年収は想定した金額を入力すれば大丈夫です。

住所欄

一人暮らしをしているときに問題となるのが住所です。住民票を移していれば現住所で問題ありませんが、もし移していないときにはどうすれば良いのでしょうか。

 

答えは、住民票の状況を問わず常に「現住所」を記入してください。申し込み時の住所は、クレジットカードや各種書類など今後の郵便物の受け取り先になるため、実家では大変不便です。

 

本人確認書類の内容と現住所が違う方は「現住所に住んでいること」の証明を求められます。一般的には公共料金の領収書で証明するケースが大半ですので、大切に取っておきましょう。

世帯主

同じく一人暮らしをしている方が躓きやすいのが世帯主です。親と別居している状況でも、実家の親が世帯主になるのでは?と思ってしまうでしょう。

 

答えは住民票を移している場合、自分が世帯主となりますので気をつけましょう。実家の両親が世帯主にはなりません。移していない、あるいは実家暮らしは両親が世帯主だと覚えておきましょう。

 

学生のクレジットカード審査について

続けて、学生の審査でよくある疑問や注意点についてもご紹介します。基本的に学生の審査はクレジットカード会社にとっても特殊な扱いで、非常に通りやすいことで有名です。

 

意外に思われるかもしれませんが、卒業後に無事就職した新卒社会人1年目よりも、学生の方が発行されやすいとすら言われています。悩んでいる方は、学生の間に申し込んでおきましょう。

 

学生用カードは、上限枠がある程度決められておりカード会社にとってリスクが少ない点、うまくいけば長期間顧客となりえることから積極的に発行されます。

 

その他、学生さんのカード審査で気になる点などもあると思われますので、以下でご紹介してみます。

在籍確認はあるのか?

社会人の審査では勤務先に「在籍確認」の電話がかかってきますが、学生であればバイト先に確認が入ることは少ないです。学生本人の年収は特段気にしていないからです。

 

また、余程のことがない限り学校への連絡もありません。ただ、なかにはバイト先へ確認の電話があったという方もいらっしゃいます。しかし在籍確認が行われるのは稀です。

 

このようなケースでは、入力した年収が異常に多いなど何かしら申し込み内容に疑問を持たれていることが大半です。

端末代の延滞がリスク大?

基本的に学生はクレジットカードの発行がされやすいのですが、それでも審査に落ちてしまう方はいらっしゃいます。ありがちなのが、携帯電話端末代をはじめとする「信販会社を経由した分割払い」を延滞した経験があることです。

 

このような場合は信用情報が傷つき、いわゆるブラックリストに登録されている恐れがあります。電話代や回線代など携帯料金であれば信用情報に関しては問題ありません。

 

が、端末代金を分割で支払っている方は注意しなければいけません。自分の信用情報が傷ついているのかどうかは、CICの公式サイトから申し出ることで確認できます。手数料が1,000円程度かかりますが、不安な方はチェックしてみても良いでしょう。

 

なお、信用情報が傷ついていた場合は、5年後に延滞情報が消えるのを待つこととなってしまいます。ということは単純に5年間はクレジットカードを所持することが出来ません。

親がブラックの場合

本人がブラックリストに入っていてはダメですが、親が入っているときはどうでしょうか。こちらは審査に影響する、しないと両方の意見がありますが、基本的に「影響する」と考えられます。

 

学生のカードは親の信用をもとに発行されるため、親の信用情報をチェックするのは自然です。また申し込んだ会社で過去に親が金融事故を起こしていた場合、事故データが保存されていますから、住所や電話番号などから判明した段階で落とされることもあるでしょう。

 

親がブラックリストに入っていて審査に落とされたのであれば、残念ですが社会人になり独立してからあらためて申し込む形がいいでしょう。

 

申し込みが不安なので家族カードの方がいい?

自分での申し込みに不安があるため家族カードを使っているという方も時々いらっしゃいます。ブラックリストに入っていて申し込めないなどの特殊な事情がない限りは、自分名義のカードの発行を強くおすすめします。
家族カードはあくまでも親名義のカードであって、本人の使用履歴になりません。いわゆるクレヒスが付かず、車や家の購入など大きなローンを組むときに不利な傾向となってしまいます。
また、決済履歴が親にはすべて筒抜けであるなど、煩わしい部分もたくさんあります。ここまででご紹介したように学生の審査は難しいものではありません。不安で申し込んでいないという方は、ぜひ一度お試しください。

 

学生向けのカードを持つメリット

クレジットカードは一般向けのカードと学生向けカード、2種類に分かれています。もちろん学生が一般向けのクレジットカードに申し込むのも問題ございません。

 

しかし学生向けのクレジットカードは独特の長所があるカードも多数発行されていますので見逃せません。そこでメリットについても続けて見ていきましょう。

学生向けの特典が受けられる

大きなメリットとしては学生向けの特典がある点です、一般カードにはない特典となるので、気になる方は一度学生向けのカードを調べてみるといいでしょう。

 

一部のカードを紹介しますと、例えば「楽天カードアカデミー」では楽天学割というサービスが付帯される、ポイントが優遇されているなども特典があります。

 

他のカードでも書籍を購入する際にポイント還元を受けられたり、友人たちと旅行に出かけるときに値引きされたりと内容は様々です。せっかく学生の身分なのですから、最大限に特典を受けるために学生用のカードも考えてみましょう。

無料カードがあるケース

クレジットカードというと年会費が必要なカードと必要ではないカードと分かれていますが、年会費がかかるカードでも学生が申し込めば「年会費は在学中無料」となっているカードもあります。

 

ただこのようなサービスの注意点として、卒業すればその後は年会費が必要となってくるパターンが多いので、どうしても欲しいカードじゃなければ申し込みはしない方がいいでしょう。

ステータスの高いカードが欲しい時

学生向けのカードを使っていると、卒業後などは自動的に一般カードへ切り替えとなる場合が多いです。この時に一般カードに切り替えではなく、上位のカードに切り替えしているサービスもあります。

 

例えば三井住友カードデビュープラスという学生をターゲットにしたようなカードでは、カード切り替え時に三井住友プライムゴールドへと切り替わります。

 

ゴールドという名前が付いているのでお分かりと思いますが、ゴールドカードとなりますのでこのようにステータスの高いカードを欲しい場合に、事前に学生向けのカードを使っておくという手段もアリですね。

 

まとめ

このページでは、学生がクレジットカードを申し込む際の特徴や手順、疑問や注意点などをご紹介しました。学生の審査は特別で、カード会社も積極的に発行したいと考えています。

 

その為に収入などがほとんどない状況でもクレジットカードの発行がされるケースが多くあります。また今では作り方などもすごく簡単で、申し込みフォームより選択や入力をするだけ。

 

初めてクレジットカードを作る方でも10分ほどあれば申し込みが完了できるような感じです。紹介したポイントを踏まえて、学生の間にぜひ自分名義のカードを手に入れましょう。